運転好きでなくても意外とハマる?『American Truck Simulator』

トラックを運転する

ウィンターセールで購入した『American Truck Simulator』のプレイを開始してから、PCゲームといえばこればかりしている。長時間プレイすると身体が痛くなってしまうことがあるので1日のプレイ時間は2時間程度までにしているが、この2週間で20時間近くプレイしているようだ。

もちろんそのほとんどは運転時間だが、お財布と相談しつつトラックの構成をカスタマイズしていた時間もかなり含まれている。直接性能に影響しない内装やペイントなども変更できるため、いじり始めるとできることが多いのだ。

運転好きならまずおすすめ

運転すること自体が好きなプレイヤーは、間違いなくATSに向いている。レースで勝つ、警察から逃げるなどで急ぐ必要はないため、気楽に走ることを楽しめるだろう。最初は自分のトラックを所有していないので荷物を受け取っては届けるお使い状態になるが、自分のトラックを購入してしまえば自由に走れる。

全ての街を巡って未発見の自動車ディーラーや人材派遣会社を見つけても良いし、アメリカの有名な観光地を見に行くのも良い。

自分で調整できるシミュレーター

「ゲーム」にも、難易度の調整が可能なものは多い。しかし、「この敵は嫌いだから出現させない」「ランダムイベントの発生率を上げる」といったわがままな調整はできないのが一般的だ。ATSはシミュレーターなので、そういった部分もプレイヤーの好みに変更できる。

デフォルトでは制限速度を超えると速度違反で罰金を取られるが、速度違反をオフにすることも可能だ。降水確率やランダムイベント(事故で車線減少など)の発生率・降水確率も変更できる。元々用意された条件をクリアするのではなく、プレイヤーの望む環境を作って遊べるのがATSである。

車・トラック好きにもおすすめ

ポーズメニュー

スポーツカーやレーシングカーを運転できるゲームは多数あるが、自由にカスタマイズしたトラックに乗れるゲームは多くない。こうした要素が楽しめるプレイヤーにも、ATSはおすすめだ。

といっても、運転席からの視点では全く見えないカスタマイズも多い。補助ミラーやサンバイザーの追加といった運転のしやすさに関わるカスタマイズもあるが、ペイントやタイヤ・ホイールの変更といったあたりは外からしか見えないので想像力の世界である。ゲーム内でトラックから降りることはできないが、ポーズ画面や視点変更時には見えるので我慢しよう。

Modで広がるカスタマイズ

ATSはSteamワークショップにも対応しており、ユーザ制作のModによってゲームそのものを変更できる。エンジン音をリアルにするものや、ゲーム内に登場する架空の企業ロゴをモデルとなった実在企業のロゴに置き換えるものなどが存在している。

トラックのカスタムパーツやペイントを追加するModもあり、イカしたデザインのトラックや痛トラックにすることが可能だ。Steamで販売されている他のゲームにインスパイアされたペイントの他、エヴァンゲリオン、ラブライブ、艦これなど日本のアニメ・ゲームのキャラクターを描いたものも公開されている。

知識(技術?)のあるプレイヤーであれば、自社オリジナルロゴの入ったトラックをペイントModという形で実現することもできるだろう。

他の遊び方

5台のトラックが所属できるガレージ

購入前は、そこまで遊べると思っていなかったATS。免許はあるが特別に自動車が好きというわけでもないので、「評価も高いし、セールで安くなるから買ってみる」くらいの感覚だった。だが、案外楽しめている。これは色々な遊び方ができるから、というのが大きいだろう。

ロールプレイで遊ぶ

稼ぐ効率だけを考えてATSをプレイする場合、荷物を積まずに移動する時間がもったいない。現在地付近が発送元でなるべく距離単価が高い仕事を検索し、道中あるいはインターバルに燃料補給と仮眠を取るという流れを繰り返すのが最適解となるだろう。

遊びを加えるなら、あえてその効率を落とすような制限をかけてみると良いかもしれない。何日かに一度家族に会うという設定で本拠地へ戻る、あるいは一定額を稼ぐごとにバカンスで荷物を積まずに長距離のドライブをするというのはどうだろうか。プレイ開始からしばらくはひたすら高単価な仕事を受け続けていたが、それだけだと飽きてしまいそうな気がする。

他にも、「ゲーム的には許容されているが普通はやらないこと」を避けるプレイが考えられる。休憩するときはきちんと駐車場の枠内に停める、カーブできるギリギリの速度で突入せずに十分速度を落とす、配送先やガソリンスタンドの施設内で逆走をしないなどだ。

ラジオ・音楽を聞きながら運転

ATSでは、トラックのラジオとしてインターネットラジオを流すことが可能だ。初期状態では英語圏・ドイツ語圏の放送局ばかりだが、ゲームが参照している放送局リストを編集すれば日本のラジオを聞くこともできる。普段ラジオを聞くことはないが、最近はATSのおかげで毎日のように聞いている。指定のフォルダに入れた音楽ファイルも再生できるので、お気に入りの音楽やオーディオブックを流しながらのプレイもおすすめだ。

ゲーム内の機能にこだわらず、外部の音楽プレイヤーやテレビの音を聞きながらのプレイもありだろう。オーディブルとも相性が良いかもしれない。

数字を増やす遊びも可能

クリッカーゲームが好きなプレイヤーであれば、ひたすら効率良く配送するだけでも楽しいかもしれない。社員を増やして稼ぎの効率を上げていけるので、会社の利益が日に日に拡大するのを見て楽しめるだろう。社員ごとやトラックごとの統計情報を見られるのも、数字好きにはたまらない。

ステアリングコントローラーは欲しくなる

ゲームパッドでの操作に関しては、ライトに遊ぶなら問題ないレベルではある。キーボードとマウスに比べれば十分快適だと言えるだろう。もちろん、キーボード操作に慣れたPCゲーマーであればそちらでも遊べるはずだ。だが、ゲームパッドで操作するとステアリングに違和感は残る。

ステアリング感度を上げると駐車場内での方向転換や交差点での操作は快適になるが、直線を走るときにスティックのチョン押しで細かく位置調整することになってしまう。ステアリング感度を下げるとフリーウェイは走りやすいが、大きく曲がりたいときはスティックを倒した状態でハンドルが回るのを待たなければならない。

ハンドルを切るスピードをスティックの倒し方で変えられると良いのだが、今のところそうした設定は見つけられていない。設定項目は大量にあるので、もしかしたら可能なのかもしれないが…。

いずれにしても、ATSが気に入ればステアリングコントローラーが欲しくなるのは間違いない。ハンドル・フットペダルの有無でかなり面白さが変わるゲームなのではないだろうか。安価なものなら5,000円程度からあるので、長く遊べそうなら大型DLCくらいの感覚でハンコンを購入するかもしれない。

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