プール渡ってアヒルが回る『Placid Plastic Duck Simulator』

 

『Placid Plastic Duck Simulator』にプレイヤーの操作を求めるようなゲーム性はなく、ただ眺めるだけのデスクトップガジェットのような作品です。
海の近くにあるプールに浮かぶアヒルのおもちゃを見ているだけなのに、妙に癒やされる。
Steamで販売するには珍しいジャンルですが、なぜか発売以来異常な高評価を獲得しているのが目に付いたこともあり、サマーセール期間中に購入していました。

直後に一度起動はしたものの、とある理由で3分ほど起動しただけで終了させてしまいました。
これは失敗したかと返品も検討していたのですが、7月16日のアップデートやガイドに投稿された方法によって改善したので一通りのアヒルを見ることができました。

Placid Plastic Duck Simulatorの目的

プレイヤーに許された操作はほぼ視点変更関連のみ。
ビーチチェア(位置は固定)から好きな方を向いてプールや海・空を眺めるか、特定のアヒルを中心にしたカメラの選択が可能です。

あとはラジオのスイッチをON/OFFするくらいでしょうか。
作品の雰囲気作りに大きな役割を果たすラジオではありますが、他のことをしながら動かし続けたいならオフにしたいことも。

目的としては様々な種類のあるアヒルのコンプリートと、Steam実績の解除(≒特殊なイベントをすべて見ること)がメインですね。
ゲーム内で面白いことが起きたらスクリーンショットも撮れます。
が、環境依存なのか保存できないこともあるようです。
実際に何枚も撮影したのに1枚も残っていませんでした。

アヒルのコンプリート

開始直後は普通のアヒルが1羽浮かんでいるだけの寂しいプール。
時間の経過とともに増えていく右上のアヒルメーターが一杯になると、新しいアヒルが空から降ってきます。
数が増えてくるとメーターの増加が遅くなるようですが、しばらく放置していれば全種のアヒルを見られるでしょう。

4時間~5時間もあれば一通り見られるはずなので、一気に集めてしまうのが良いですね。
途中でアプリケーションを終了してもコレクション機能の記録状況は変わらないものの、アヒル1羽のプールからやり直しになってしまいます。
登場順は固定ではないようなので、運次第で最後の1種類を見るのに合計10時間近くかかることにもなりかねません。

Steam実績の解除

アヒルのコレクションと並行して進めていくことになる、Steam実績の解除。

ほぼ全ての実績はランダムで発生するイベントor特定のアヒルをきっかけに発生するイベントを見ると解除されます。
視界に入れる必要はなく、発生しただけで条件を満たすので実績獲得の表示をきっかけに初めてのイベントに気づくこともあるかもしれません。
あとはアヒルコレクションの進捗で解除されるものですね。

4.5時間起動して全てのアヒルを見ても1種類だけ未解除の実績が残っている状態ですが、さらに起動していたら全実績解除になりそうな気がします。
確率が低いイベントがあるのか、たまにアヒルの動きがおかしくなるのでそのせいで取得できなかったのか、プレイ時間で解除される系なのか。

気になる点

ゲームではない

最初に書いた通りゲーム性はありません。
全ての要素を見るにはそれなりの放置時間を求められるので、ゲームを楽しみたいときに買うものではないですね。
かといって時間を潰せるほど集中して観察するようなものでもない。

何もやることがなくぼーっとしたいときのお供にするか、動画を流しつつときどき様子を見るような使い方がベストでしょうか。

GPU負荷が高い

購入直後に起動してすぐ終了した理由がこれです。
当時のバージョンでは画質を最高設定にしたATSよりも激しくファンが回っていました。
こんなもののためにグラフィックボードにダメージを与える気にはなれず、急いで終了しました。

広範囲に海やプールの水面が広がるロケーション、夜は複数のライトが灯って光源も多いので非常にGPUの負荷が高いアプリケーションです。
設定から解像度やウィンドウサイズを変えられないため、高解像度のディスプレイではGPUが大変なことになります。

7月16日のアップデートで改善はされたようですが、やはり4Kディスプレイだと厳しい。
今のバージョンであればフルHDくらいならフルスクリーンでも許容範囲かもしれません。
幸いコミュニティガイドで指定サイズのウィンドウで動かす方法が紹介されているので、ディスプレイの解像度が高い場合は小さめのサイズにして試してみましょう。

物理演算の異常

多くのアヒルは水に浮かびながらゆっくり漂っていくだけですが、一部のアヒルは特殊なギミックを内蔵しています。
特殊なアヒルやプールとプールを繋ぐ仕掛けで加速されたアヒルが他のアヒルとぶつかると、予想外の動きをすることがしばしばあります。

結果的に壁にめり込んだり、プールの外に飛び出して地形に刺さってしまうことも。
打ち上げられたアヒルはその状態で動かなくなるので、実績に絡む特定のアヒルだった場合は再起動して周回しないと取れなくなる実績があるかもしれません。

また、アヒルを中心に据えたカメラの位置がおかしくなることもよくあります。
メインの大きなプールよりも、下にある小さいプールの方で顕著ですね。
なぜか壁とアヒルの間にカメラがめり込んでいき、どアップになったりします。

ゲームではなく癒しツールとして

定価約200円と手が出しやすく、敵もいなければ対立もない平和な作品。
刺激がなく退屈な面は否定できませんが、暇なときに遊ぶものではなく忙しいときにこそ眺めたいものといえるかもしれません。

突発的なイベントを除けばおもちゃのアヒルが大プールと小プールを行ったり来たりするのを眺めるだけですが、こういう「ぐるぐる繰り返す」安心感には人を引き付けるものがあります。
何か作業するときに動画を流しておくような感覚で、他のことをしながらウィンドウモードで起動しておく前提なら購入はアリだと思います。
元の値段が安いので定価でもセール中でもほとんど変わらないですしね…。

絶賛はせずともおすすめしないとまでは言えない。
結果的にSteamで圧倒的な好評を獲得しているのも、そうした60点くらいの好評価の積み重ねのような気がします。

0 件のコメント :

コメントを投稿