『Hyper Universe』がシンプルで面白い

起動画面

昨日の記事を書いた後にXbox360コントローラーを使って『Hyper Universe』をプレイしてみたところ、なかなか面白い作品だと感じた。一部のキャラクターが強いと感じるところはあるものの、チームワーク次第でキャラクター性能の不利を覆せることもある絶妙なバランスである。

RTSやFPSなど、普段からチーム対チームの対人ゲームを遊んでいるゲーマーならば気に入るのではないだろうか。MOBAが気になりつつもRTSが苦手なにたすちゃんには、ピッタリの作品だった。

Hyper Universe

横スクロールアクションとMOBAの融合

日本語でHyper Universeを紹介しているメディアがこぞって言っているように、Hyper Universeの視点や操作方法は横スクロールアクションのそれだ。キャラクターが立つ地面が画面の下にあり、歩く・走る動作の他にジャンプやはしごの昇り降りも可能だ。

そこにMOBA的な要素が加わっている。勝つためには自チームの拠点が陥落する前に相手チームの拠点を落とすしかなく、途中にある防衛タワーを潰しながら本陣を目指すシステムは完全にMOBAである。低レベル状態からスタートして試合中に成長していく方式や自動で敵拠点を目指すNPCユニットも、MOBA譲りである。

ときどき面白いゲームを混ぜ合わせた結果が残念なものになってしまうが、Hyper Universeではこの異質な組み合わせから新しいジャンルを生み出すことに成功している。

多様なキャラクター

プレイヤーが操作するキャラクター(ハイパー)は試合ごとに得られる経験値でプレイヤーレベルを上げると数人獲得でき、それ以外はゲーム内マネーか課金コイン、あるいは特定のミッションをこなすことで利用権を得ることになる。スキンは課金コイン限定だが、見た目にしか影響せず、Pay to Winにはなっていない。

ハイパーは6系統に分けられており、各系統の中でもきちんと性能の差別化が図られている。最前線で敵の攻撃を受け止めるタンクから殺される前に殺すアサシンまで、好みのハイパーが見つかるはずだ。

複雑な操作が不要

各ハイパーは無限に使える通常攻撃の他に、5つのスキルを所持している。移動、回避、スキルくらいしかできることがないので使うボタンは少なく、Xbox360コントローラーで十分操作できる。

この簡単さは、難しそうなジャンルだというイメージを払拭するのに役立つだろう。ボタンが足りなくてコンフィグに悩むシミュレーターとは大違いだ。

悪くない通信環境

オンラインのアクションゲームでは、通信の遅延によるラグが心配だ。しかし、Hyper Universeのプレイ中にラグが気になる場面はほとんどなかった。マップが3Dではなく2Dなこともあり、オンラインゲームとしては通信量が少なめなのかもしれない。

気になる点

面白いジャンルを開拓していることは間違いないHyper Universeだが、プレイしていると気になる点もあった。主にハイパーごとの性能差についてである。

遠距離攻撃と近接攻撃

Hyper Universeは横スクロールアクションゲームの画面レイアウトを採用している。フィールドに奥行きがないため、相手の射撃攻撃を回避する手段はジャンプくらいしかない。しかもジャンプは高度が低く滞空時間も短いので、攻撃を見て避けるのはほとんど不可能である。そのため、遠距離からの攻撃の方が危険度が高い。

さらに、相手をロックオンして確実に命中するミサイルなどもある。一部ハイパーのスキルを除いてガードやパリィといった攻撃を防げるアクションが存在しないため、狙われたら避けようがない。

タンクが辛い

上の遠隔攻撃の強さとも関連して、「タンク」タイプのハンターは一人だとかなり弱くなってしまっている。複数の敵からの攻撃を受け止め続けられるほど耐久力があるわけでもなく、近接メインなので攻撃にも期待しにくいのだ。

回復や補助を行ってくれるサポートがいれば活躍できるが、タンクタイプ本人のスキルだけではさほど安定して戦えない。スペシャリストや高レベルのストライカーといった攻撃職を複数まとめて相手にすれば、タンクと言えども簡単に倒されてしまう。

終わらない試合がある(AIマッチ限定?)

速攻に成功すれば10分以下で勝敗が決することもあるが、長ければ一時間近くやって決着しないということもある。

ハイパーのレベル上限は20と低く、試合時間が20分ほどになると全員がレベル20になる。そのため、互いに攻めあぐねて拠点を落とせない程度の戦力だとひたすら同じことを繰り返す羽目になることがあるのだ。

一定時間で勝敗が決まらなければキル数やタワーに与えたダメージの差で勝敗を決めるような判定システムがあっても良かったのではないだろうか。

無言プレイばかり(AIマッチ限定?)

AIマッチ限定の特徴なのかもしれないが、ほとんどのプレイヤーは無言でひたすら戦っている。ロビーだけでなく対戦前のキャラクターセレクトや対戦中に使えるチャット機能があるが、誰も挨拶すらしないのだ。暴言などもないので気楽で良いというプレイヤーもいるだろうが、好みが別れるところかもしれない。

進め/退けといった定形の指示をワンタッチで送信する機能もあるが、こちらも誰も使っていない。マップ上の特定の位置をマークする機能は、稀に使うプレイヤーがいる。

日本語なし

インターフェイス・音声ともに日本語はないため、画面表示は英語、ドイツ語、ブラジルポルトガル語、もしくは中国語でプレイすることになる。音声は英語のみだ。

プレイ中に文字を読む必要はほぼないので、大きな問題にはならない。しかし、ハイパーのスキルはただダメージを与えるだけでなく状態異常を起こすような追加効果のあるものがほとんどだ。その効果を把握するには、スキルの説明を翻訳する必要があるかもしれない。

移動速度の変化のような分かりやすいものだけでなく、「防御力の一部を無視するようになる」「重ねがけの回数で効果が全く異なる」ようなスキルもある。知らなければ不利になるので、使いこなしたいハイパーのスキル説明くらいはきちんと読んでおきたい。

挑戦する価値あり

Hyper Universeで勝つためには、ハイパーの育成や仲間との連携がポイントになる。プレイヤー個人の操作で爽快に戦えるアクションゲームがやりたいという層には適さないが、チーム同士のマルチ対戦が気軽にできるゲームとしては価値のある一本だ。

重課金は不要

基本プレイ無料で、無料の範囲内でも十分好きなキャラクターを使うことができる。スキンもゲーム内での入手が可能だが、ガチャで各スキン専用の素材を複数集めないといけない。狙ったものを手に入れるのは難しいだろう。

ちなみにSteam経由でスキンを購入する場合、単品ではなく4ハイパーセットのDLCとなっている。現時点でDLCが4つしかないため、Steamからは購入できないハイパーも少なくない。セット内容は、いずれもゲーム内購入可能なハイパー使用権と各ハイパー専用装備、そして色違いのスキンが4キャラ分入って1,010円または2,050円だ。

今なら日に1,000人以上がプレイしているため、その時間に人が多い地域のサーバを選べば対戦相手が見つからないことも少ないはずだ。一見するとどのサーバもあまり通信状態が良くないように見えるが、案外北米などのサーバを選んでも安定してプレイできている。

登録方法とゲームパッドの使用法

一時的な不具合や環境に依存する問題なのかもしれないが、SteamからHyper Universeをインストールして起動してもネクソンアカウントの登録を行うことができなかった。また、ゲームパッドの認識にも設定ファイルの書き換えが必要だったので昨日の記事にまとめている。

横スクロールアクション×MOBAのHyper Universeをゲームパッドでプレイ

0 件のコメント :

コメントを投稿