背景画像からも分かるように、元々このブログは読書メモになる予定だったんですよ。
気がついたら消滅都市の攻略記事がメインになっていましたけれどね。
今回紹介するのは、『持たない幸福論』。
『ニートの歩き方』で一部では非常に有名になったphaさんの本です。
一言で言ってしまうと、退職したくなる本です。
僕はけっこう読んだ本の影響で行動が変わるので、危ない危ない。
とはいえ、本やマンガから影響を受ける人は少なくないですよね。
中学・高校の部活に入る人数が、流行っているマンガによって変わるという話を聞いたことがあります。
スラムダンクでバスケ部、テニスの王子様でテニス部の入部希望者が増えたとか。
けいおんで楽器が売れたり、ヒカルの碁で囲碁人口が増えたりしたとか。
僕としては放課後さいころ倶楽部の影響でアナログゲーム人口が増えると楽しいかなー、なんて思います。
今はスマートフォンの無料アプリでも本格的なゲームができる時代ですが、アナログゲームで対面の相手と協力したり競い合ったりするのも楽しいものですよ。
この本では表紙にある三つのテーマが扱われています。
- 働きたくない
- 家族を作らない
- お金に縛られない
紙数はここに一番割かれているように思います。
三つ目の「お金に縛られない」というのもここに繋がってくる内容ですからね。
「自分には毎朝決まった時間に起きて、予定通りに出社する生活が向いていない」
と感じたところからきているようです。
純粋な疑問として、生活できるだけの収入が確保できるなら、仕事に盗られる時間は少ない方が良いに決まっていると思うのです。
働く時間を増やして収入を増やしたい、と思う人も居るのでしょうか。
「お金は必要だけど、収入を増やすためにもっと働くのは嫌だ」
というものです。
だから、会社員を辞めて(自称)ニートになったわけですね。
低収入ではあるけれど、定職につかずにそれだけ稼げているなら全く問題ない金額です。
作らないのか、お金が無いから作れないのか。
いずれにせよ、今の日本では50年前のように夫が働いて家族を養っていくという生活形態は成り立たなくなってきている、というお話です。
そこで著者が提案するのがシェアハウス。
一人じゃないから寂しくないし、家賃も複数人で払えばかなり安く抑えることができます。
良いメンバーを集めるのが難しいところですけれど、そのあたりについても最後の章でまた出てきます。
家の問題は全て家族で解決するというのは、はなから無理な相談です。
一家族が10人も居るような時代であれば、役割分担でなんとかなるかもしれませんが、今はそうではありません。
共働きの核家族で働き手が一人倒れれば、あるいはリストラされれば、家族全員の生活が崩壊しかねないのです。
全員が健康で、子どもと老人以外が労働に積極的でなければまともに回らないのですから。
働きアリですら2割がサボっているというのだから、数家族に一人くらいはサボる人が出るのが自然な計算になるのですけれど。
ここでは、著者の別の本を広告しつつ、現金に依存する度合いが高すぎる都市型生活への疑問が投げかけられます。
料理をして自分の食べるものを用意したり、家を修繕したり、田舎でDIYをするようなことが都会の毒を解毒してくれるとか。
自分は全く料理をしないので料理が趣味という感覚は分からないのですが、お金中心で生活しているために労働するしかなくなっているとは感じます。
自分でできることが増えれば、現金収入がもっと少なくても暮らしていけるのかもしれません。
お金から離れることと同時に強調されているのが、友人のネットワーク、居場所を作ることの重要性ですから。
それはシェアハウスでも、ファミレスに定期的に集まるのでも良いのですが、何かしら人との繋がりを保たないと人間生きていけません。
3年は一応働いていたみたいです。
会社でもネットしたりTwitterを見たりして社内ニートだったとは書かれていますけれど、突発的に離職してしまったわけではないようですね。
勢いでの退職はダメ、絶対。
特に、田舎に引っ込めば月10万以下の収入でも余裕で暮らせる、という発想には目からうろこが落ちた思いです。
今の副業は在宅でできるので、住む場所を移せばある程度安定した生活が送れるのかもしれません。
ある占いによると今年は遠出が多いらしいので、新たなフルサト探しのことを指しているのかも? なんて。
別に仕事をやめたいと思っていない人も、一度読んでみると
「こういう考え方の人も居るのか」
という気付きが得られるかもしれません。
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