前回の記事ではVPN全般の話が長くなったので詳細を省いてしまいましたが、仕事の都合で自宅から固定IPで接続できる環境を用意することになりました。
艦これで通信エラー(猫)が多発していたからIPを変更してみたかったのは事実ですが、それだけではありません。
Google MeetやZoomを使うことも多いのである程度の速度を求めたいこともあり、要件としては月額料金の安さに加えて以下の3点。
- IPが固定できる(必須)
- 日本のIPである(優先度高)
- 共有IPではなく独占できる(優先度低)
VPN比較
上述の通り、IPが固定できないタイプのVPNは今回の用途では使えません。
海外のサービスで急に日本から使えなくなったりしても困るので日本語でサイトが提供されているサービスに限ったところ、固定IPが提供されるかそういったオプションが存在すると明記されているのは3社しかありませんでした。
多数のVPNサービス
多くのサービスはあちこちの国に多数のサーバを持つことで国内からだとアクセスできないコンテンツを見られたり、政府などに接続元を知られず任意のサイトにアクセスできたりするとアピールしています。
かつてのP2Pファイル共有ソフトや匿名ブラウザのような、「知らない人は損している」的でちょっと怪しい印象を持ってしまいますね。
価格的には安い傾向にあるのですが、IPを固定する機能については記載がありません。
国内のIPなら特に固定されていなくても艦これはできると思うので、通信エラーの検証で適当に接続元IPを変えてみたい方は利用できるかもしれません。
残念ながら今回は使えませんね。
NordVPN
ここからは前回の記事でも名前を挙げたサービスです。
まずはNordVPNですね。
特長としては3年の長期契約かつキャンペーン期間の契約という条件付きではあるものの、料金が非常に安いことが挙げられます。
また、一般的なVPNで提供される暗号化通信やIPの隠蔽といった機能以外に認証情報の流出をチェックしてくれたりもするようです。
無料で使えるGoogle Chromeの機能と同じようなものだと思いますが、あって損をすることはないでしょう。
有料オプションとして独占できる固定IPも提供されています。
購入できるIPはアメリカ、イギリス、オランダ、フランス、ドイツ。
価格は70ドルなので円高が続く現在のレートだと年間9000円を超えます。
とはいえ月あたりにすれば800円以下なので、各種割引込の基本料金と合計して1200円くらい。
日本の固定IPさえ選べれば十分国内のサービスとも競争できそうではあります。
Glocal VPN
Glocal VPNは比較的新しいサービスで、2021年の9月に登場したようです。
会社そのものは以前からあり、海外でもそのまま使えるモバイルWi-Fiルータのサービスを提供しています。
完全にテレワーク・リモートワークの増加を意識したサービスで、シンプルかつ安いのがメリットですね。
Glocal VPNにはかんたん固定IPとせんぞく固定IPの2つのサービスがあります。
前者は固定IPのVPNサービスとしては安い月額990円が魅力ですが、IPは見知らぬ他ユーザとの共有になります。
後者は身内だけで固定IPを独占できるのがメリットですが、料金は月額550円×ユーザ数(最低5500円~)と1人で使うなら他社と比べても高くなります。
マイIP・マイIP ソフトイーサ版
マイIPとマイIP ソフトイーサ版はVPN以外にもインターネット接続サービスやレンタルサーバを提供するインターリンクのサービスです。
Glocal VPN同様、エンターテイメントよりビジネス用途を打ち出しているように見えます。
インターリンクは別サービスとして海外のIPを選んで使えるセカイVPNも提供しているので、海外のサービスを使うのが目的のそちらとの差別化もあるのかもしれません。
マイIPとソフトイーサ版の使い分けとしては、スマートフォンでも使いたいか料金重視ならマイIP、複数のIPを使い分けたいかセキュリティが厳しく特定ポート以外での通信がブロックされる環境ならソフトイーサ版になりそうです。
料金的にはマイIPが月額1100円、ソフトイーサ版だと1320円×IP数になります。
また、グループ専用VPNという別のサービスも提供されています。
料金は月額550円×ユーザ数(最低5500円~)で…料金的にもサービス内容的にも、Glocal VPNのせんぞく固定IPと全く同じですね。
Glocal VPNの速度
マイIPならIPを独占できる(はず)という点には惹かれたものの、最終的には料金重視でGlocal VPNのかんたん固定IPに申込みました。
Glocal VPNには1ヶ月の無料期間があるので、来月から有料に切り替わる予定です。
上の画像は平日の昼間にGlocal VPNを通してGoogleのスピードテストで測定した回線速度です。
VPNを通していないときと比べると上り下りとも速度は落ちてレイテンシも悪化していますが、実用上は特に問題のないレベル。
ゲームのインストールやWindows Updateなどで大きなファイルをダウンロードするとき、レイテンシを抑えたいオンラインゲーム時などはVPNを切断して直接続に切り替えるべきですが、速度面では特に不満もなさそうです。
近い時刻にVPNなしで計測するとこんな数字。
比較すると下りは6割以下、上りは4割強まで悪化していますし、レイテンシの差は大きいですね。
自宅―VPN間の通信速度ではなくVPN側の仕様で速度が落ちていると思われるので、理論値100Mbpsではなく1Gbpsやそれ以上の回線だと影響はさらに大きくなりそうです。
マイIPは公式のFAQで2~4Mbps程度とされているので、それに比べればGlocal VPNは速い方といえるのかもしれません。
速度以外の影響
一部サイトで、ロボットではないことをいつもより頻繁に証明させられるような気がしないでもないです。
とはいうものの、以前から要求されることもあったのでたまたまかもしれません。
普段使うサイトで、ブロックされているところもないようです。
あとは艦これへの影響ですね。
こちらは明らかに通信エラーの頻度が下がっていて、一日中起動していても全くエラーになっていません。
マンション内が全て同じIPなのか少数のIPを全員で共有しているのかは分からないものの、単純に同じIPで艦これを多数起動すると先に接続していた方から切断されるのかも?
マクロを使ったりしなくても、同じIPから何人も起動していたら複数アカウントを疑って切断する仕組みになっているかもしれません。
戸数が多いので他に誰も提督がいないとは考えにくく、性別や年齢構成を無視して全体の数%すれば数十人のオーダーになるはず。
家族内で複数人が提督というパターンも考えられるので2人や3人の同時接続でアウトということはないと思いますが、たくさんいたら怪しまれても仕方ないかも。
そうだとすれば、艦これ用には同じIPを複数人で共有するかんたん固定IPよりも独占できるサービスの方が向いていることになりますね。
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