Humblebundleでは、Steamで利用できるPCゲームのキーが格安で販売されていることが多い。対象となるタイトルはややマイナーなものや古いものが多いもののゲームの購入資金に限りのあるPCゲーマーがお世話になっているサイトの一つではないだろうか。
このHumblebundleが音楽、画像、動画などの編集ツールをセットで販売している。日本語版は存在しないが、価格だけを見ればかなりお得なパッケージだ。
Humble Software Bundle: VEGAS Pro: Discover Creative Freedom
Humblebundleが扱うのは、ゲームだけではない。PC用のソフトウェアや電子書籍がセット販売されていることもある。現在販売中(記事執筆時点で残り10時間ほど)のVEGAS Pro Discover Creative Freedomバンドルも、PC用ソフトウェアのセットだ。
価格とセット内容
このバンドルは”Pay what you want”方式を取っている。簡単に言えば、値段は購入者が自由に決められるのだ。ただし、価格によってセットに含まれるコンテンツが変更される。
最低価格は1ドルだが、購入者の平均支払額未満の金額を設定した場合は内容が以下の3種類だけになってしまう。括弧内は、Humblebundleに掲載されているそれぞれの希望小売価格だ。
- Soundpool: Stranger Synths(19.99ドル)
- Music Maker 80s Edition(29.99ドル)
- MAGIX Photo Manager Deluxe(49.99ドル)
平均支払額以上を支払えば、さらに3つのコンテンツが受け取れる。平均支払額は12月27日18時時点で19.50ドルとなっており、多くのユーザが20ドルかそれ以上の値を付けているようだ。
- Xara Photo & Graphic Designer(59.99ドル)
- MAGIX Photostory Deluxe(69.99ドル)
- Music Maker Hip Hop Beat Producer(29.99ドル)
20ドル以上を支払えば、さらに3つのコンテンツが追加される。
- Xara Web Designer Premium(99.99ドル)
- MAGIX Vintage Effects Suite(119ドル)
- VEGAS Pro 14 Edit(399ドル)
- MAGIX Video Sound Cleaning Lab(49.99ドル)
金額だけを考えれば最大で合計928ドル分のコンテンツが含まれることになり、20ドルで購入したならば900ドル以上もお得になる計算だ。しかし、全てのジャンルを扱う機会があるというユーザは多くないのではないだろうか?
音楽関連
まずは、音楽制作だけを行う場合を考えてみよう。主に関連するコンテンツは4本だ。
制限なしに2本、平均額に1本、20ドルに1本含まれているので、全てを利用したいならば価格は20ドル以上となる。希望小売価格で考えるとお得ではある。
しかし、ホラー向け素材、エフェクト、80年代っぽい音楽とヒップホップ向けの制作ツールとジャンルがバラバラだ。音楽制作を行うユーザであっても、使わないものも含まれているのではないだろうか。
画像(静止画・写真)関連
画像関連のコンテンツとしては、写真の整理ツール、静止画の作成・編集ツール、スライドショー制作ツールが含まれている。
平均額以上で全てのコンテンツを購入できるが、このバンドルでは平均額と設定された20ドルの差が小さいのであえて平均額を選ぶ意味はないだろう。
1ドルで購入可能なPhoto Manager Deluxeは扱いやすさで評価されている写真管理ツールなので、撮り溜めた写真の管理に困っているならば導入してみるのも良さそうだ。Google Photoと違ってローカルで写真を管理できるので、高画質のままで保存できる。
各ソフトとも扱いやすさと引き換えに機能は絞られているようなので、プロの写真家やデザイナーではなく家庭で家族写真の管理や旅行記録のスライドショー制作に使いたいアマチュア写真家向けだろうか。
また、それぞれのソフトが持つ機能に重複する部分もある。いずれのツールも赤目軽減などの基本的な編集機能を備えているためだ。
ウェブ関連
ウェブ制作ツールのXara Web Designer Premiumは、20ドル以上を支払うことで入手できる。
ウェブ関連のコンテンツはこれ一つなのでウェブ専門のクリエイターにとっては割高感があるが、希望小売価格100ドルのツールなのでお得には違いない。
HTMLやJavascriptが書けなくても、テンプレートを使っておしゃれなウェブサイトが構築できるというツールである。ウェブサイトには画像や動画を掲載することもできるため、簡単な画像編集などの機能も備えている。
動画関連
動画関連の目玉は、20ドル以上で入手できるVEGAS Pro 14 Editだ。このバンドルで最も高価なコンテンツであり、希望価格は400ドルとなっている。
動画に含まれる音声のノイズ除去などを行うツールも20ドル以上のラインに含まれる。動画編集ツールが目当てならば、20ドル以上を選ぶことになるだろう。
VEGAS Proはプロ仕様のツールということで高度な機能が搭載されている反面、使いこなすのは難しそうだ。ソースネクストが日本語版(しかもより新しいバージョン15)を販売しているため、そちらを購入するべきかもしれない。
日本語版VEGAS Pro 15 Editのメーカー公式価格は44,688円と高価だが、12月31日までのセールでは5,980円で購入できる。値引き幅が大きすぎて、通常価格はあまり意味がないものになってしまっているようだ。
結論
購入を見送るか、1ドルを支払うのがおすすめ。
金額だけを見れば間違いなく20ドルを支払うべきバンドルだ。何らかの趣味で各種コンテンツを制作する機会があるなら、それ以上の金額を支払っても惜しくはない。
だが、目玉製品であるVEGAS Pro 14 Editの新バージョン、しかも日本語版を比較的安価に購入できる。それ以外のツールも日本語で利用できる同種のソフトウェアが存在するため、日本のユーザがあえてこのバンドルを購入する必要はないのではないだろうか。
ホラー・80年代テイストの音楽を作りたい、写真ファイルの整理ツールを探しているというユーザなら1ドルを支払うのもありかもしれない。
慈善団体への寄付を目的に購入するのは自由だが、コストパフォーマンスを考えるなら高機能なツールを使いこなせるユーザ以外にはやや厳しいバンドルのように感じる。
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