『IL-2 Sturmovik: 1946』で初フライト

古さを感じるグラフィック

1月23日までHumblebundleで販売されていたHope for Orphans Bundleで入手した『IL-2 Sturmovik: 1946』。1ドルで購入できる4タイトルの中では唯一最も期待していたものだ。早速、初めてのフライトに挑戦した。

IL-2をプレイするのが初めてなだけでなく、本格的なフライトシミュレーター自体が初体験だ。エースコンバットくらいしか飛行機を操縦するようなゲームには触れてこなかった。

『IL-2 Sturmovik: 1946』

IL-2は、第二次世界大戦が1946年まで続いている架空の世界を背景とするフライトシミュレーションゲームだ。旅客機を飛ばすのではなく、戦闘機や爆撃機を操縦できる。タイトルからはソ連が舞台の作品なのかと思ってしまうが、アメリカやら大日本帝国やらの機体も多数収録されている。

艦これでしか兵器を知らないプレイヤーも安心だ。零戦各種はもちろん、九七艦攻・九九艦爆から紫電改や一式陸攻まで操縦できる。艦これには絶対に登場しない桜花もAI専用機として存在するようだ。

古さを感じる

おもちゃのような町並み

解像度を上げる

Steam版のIL-2を起動すると、まずはその低解像度ぶりに驚くはずだ。日本語のWikiによればDVD版には設定を変更するためのツールが付属しているようなのだが、Steam版にはそのツールがないのでゲーム内から各種設定を変更しなければならない。

まずは、解像度をディスプレイに合った設定に変更しよう。日本語には対応していないので英語だが、普段から海外のPCゲームをしていればこのあたりで迷うことはないはずだ。だが、解像度を適切に設定したとしてもグラフィックの品質は発売時期相応である。

まず何をすれば良い?

最近のゲームではチュートリアルが存在するのが一般的だ。しかし、IL-2にそのようなものは用意されていない。あるのは学習用の映像コンテンツだけである。

トレーニングという項目に分類されているミッションを見ると、映像(ゲーム内の映像)と英語字幕でフライトシミュレーターで使われる用語や操作方法を学ぶことになる。無いよりはマシなのだが、未経験者がゼロから学ぶには厳しい。実際に操作を試すシーンがないので、完全にお勉強である。

ミッションを試してみよう

難易度設定画面

実際に触りながら覚えないと頭に入らないと考え、簡単そうなミッションを試すことにした。難易度順ではなく国別・種類別にミッションが並んでいるので、自分の目的に合うものを見つけなくてはならないが。

難易度の設定

IL-2には多くの設定項目がある。ただ、ゲームの難易度を変えるというよりもシミュレーションのリアルさを変更する項目だと考えた方が良さそうだ。大まかにイージー、ノーマル、リアリスティックの3つから選ぶこともできるが、各項目を個別に操作することもできるようになっている。

難易度をイージーにしてしまうと離陸がカットされて空中からスタートするため、離陸・発艦の練習がしたければノーマルを選ぶか"Misc"内の"Takeoff & Landing"をオンに変更しなければならない。

空中での制御

飛行機では、パワー、エルロン、エレベータ、ラダーを操作して姿勢を制御したり進行方向を決めたりするようだ。そもそも用語が分かりにくい。トラックと違ってぶつかりそうになってもバックはできないし、速度を落としすぎればコントロールを失って墜落するので難しそうに感じる。

だが、飛んでいる状態を維持するだけならばさほど難しくはない。特にイージーならば何も考えなくても飛べる。ゲームパッドがあれば左スティックで機首の上下と機体の傾きを操作できるので、これだけで飛び続けることも可能だ(ラダーを併用した方がよく曲がるが)。

あまり急激に方向転換するとコントロールできなくなるので、機体ごとに異なる機動性の限界を覚える必要があるだろう。離陸なしで空中での制御を練習したいなら、難易度設定ノーマルから"Takeoff & Landing"だけをオフにした状態でクイックミッションを開始すると良いだろう。

離陸・発艦

クイックミッションの設定画面

離陸・発艦はまだ簡単な方だ。飛んでいる状態の維持に比べれば使うボタンが増えるが、ボタンの割当さえ覚えれば飛び立つことができるだろう。離陸を練習するなら、Wikiにあるようにクイックミッションでターゲットをスクランブルにすれば良い。

もちろん、"Takeoff & Landing"はオンにしておく必要がある。オフだと飛行している状態でミッションがスタートしてしまう。

離陸するための操作

味方機との衝突を避けるために周囲の状況を確認すべきだが、それをするにはさらに別の操作を覚えなければならないので割愛する。状況確認せずに飛んでも、今のところ地上での事故は起こしていない。

難易度イージーで離陸だけを有効にした場合、非常に簡単。後輪の固定やフラップの調整を行わなくてもエンジン全開にするだけで飛べる。ノーマルだとやや難しい。

  1. エンジンの始動(キーボードのIキー)
  2. フラップを離陸状態に(キーボードのFキーとVキーで切り替え)
  3. 後輪を固定する(コンフィグで"Lock Tail Wheel"を割り当てたキー)
  4. エンジン出力を一気に上げる(キーボードのプラスを連打)
  5. 地上物にぶつからないように方向を制御(キーボードのZとX)
  6. 十分速度が出たら少しずつ機首を上げる(左アナログスティック)
  7. フラップとタイヤを格納(Fキーで切り替え、Gで格納)

注意するのは、エンジンを動かす前に出力を上げないこと(煙を噴き始める)、離陸するのに十分な速度が出てから機首を上げることくらいだ。また、地上では機体を傾けて進行方向を変えられないのでZとXを押しっぱなしにするかコンマとピリオドの連打でラダーを動かして方向転換する必要がある。ゲームパッドを使うなら、ラダー操作をLBとRBに割り当てておくと制御しやすい。

発艦するための操作

飛行場ではなく空母から飛び立つ場合、少し操作が増える。しかし、空母の速度を利用して飛び立てるので飛行場からの離陸より簡単な面もある。艦橋にぶち当てなければ1地上物はないため、海面への落下にだけ注意すれば良い。ただ、デフォルトでキーの割り当てがされていない操作が必要になる。

練習するなら、シングルミッションに多数存在する"Carrier Take-off(空母からの発艦)"系ミッションを使うと良いだろう。零戦21型(IJNのA6M2-21)などでの発艦練習ミッションがある。

  1. 翼が閉じていれば展開する(コンフィグで"Toggle Wing Fold"を割り当てたキー)
  2. 車輪止めを外す(コンフィグで"Toggle Chocks"を割り当てたキー)
  3. エンジンの始動(Iキー)
  4. ラジエータを開く?(Rキーで切り替え)
  5. エンジン出力を30%程度まで上げ、甲板中央へ移動(プラスを連打、ZとXで方向転換)
  6. 後輪を固定する(コンフィグで"Lock Tail Wheel"を割り当てたキー)
  7. フラップを離陸状態に(FキーとVキーで切り替え)
  8. エンジン出力を上げる(プラスを連打)
  9. 空母から落ちないように方向を制御(ZとX)
  10. 甲板端まで行くと空中に飛び出すので機首を少し上げ、横に傾かないようにする(アナログスティック)
  11. 上昇しつつフラップと着陸脚の格納(FとG)

車輪止めを外す前にエンジンの回転を上げておくと、一気に加速して飛び立てるようだ。しかし、航行中の空母からの発艦ならば普通に加速し始めても飛び立てる。難易度イージーならば制御が簡単だが、ノーマルだと空母から左右に落ちやすい。加速途中で落ちるとほぼ間違いなく着水してしまうので、甲板中央に移動して後輪のロックを終えてから加速していくべきだろう。

着陸・着艦

数回練習したら爆発せずに落とせるようになったが、狙った位置に着陸できないのでまだ説明できない。操作に使うキーは離陸時とほぼ同じなので、あとは練習次第だと思われる。ただし、空母に着艦する場合はワイヤーを降ろすためのキーを割り当てる必要がある。

ゲームをするまでに練習が必要

IL-2は戦闘機同士のドッグファイトや地上目標への爆撃、艦船への雷撃といった部分を楽しむゲームだと思うのだが、そうした戦闘が可能になるまでに練習が必要だ。最初は難易度をイージーにして、面白い部分だけをプレイしてみるのもありかもしれない。

コンフィグが困難

また、ゲームパッドでのプレイは不可能ではないが難しい。離陸~巡航~着陸を繰り返すだけならば問題はないが、これは輸送機シミュレーターではないのだ。ゲームパッドでの戦闘は不利なので、不必要に難易度が上がってしまう。

右アナログスティックや左右のトリガーボタンに機能を割り当てられないのももったいない(外部ツールを使えば可能かもしれない)。キーボード中心で操作を設定しようにも、ほとんどのキーに何らかの操作が割り当てられているのも困ったところだ。日本語キーボードでは使えない記号キーなどもあり、全くボタンが足りていない。

強い興味があるなら

Humblebundleでのバンドル販売は終了してしまっているが、IL-2の価格は1,000円ほどだ。セール対象になることも多く、しばしばバンドルにも入るのでコンバット系のフライトシミュレーターをやってみたいならば購入してみても良いだろう。

起動してすぐに楽しめるタイプのゲームではないが、自分が扱いやすい操作体系を構築して身体で覚えてしまえば長く遊べそうだ。何時間か練習すれば、ある程度は飛べるようになるだろう。零戦しか知らない、艦これ登場機体くらいしか知らないなど、軍用機にあまり興味がないプレイヤーにはモチベーションの維持が難しいかもしれない。


  1. 艦橋の当たり判定は弱めなのか、翼がめり込んだ程度であればすり抜ける。正面衝突すると機体が爆発、パイロットは当然死亡する。 ↩︎

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