このところ、過去には手を出さなかったジャンルのゲームを積極的にプレイするようにしている。新しいジャンルで面白いものを見つけるのがその目的だ。
具体的には『American Truck Simulator』『Tabletop Simulator』のようなシミュレーターや『BlazBlue: Chronophantasma Extend』『Arcana Heart 3 LOVE MAX!!!』などの格闘ゲームに挑戦してきた。改めて触ってみると案外遊べる作品もあるのだが、過去には楽しさが理解できなかったジャンルばかりである。
ツールとしてのゲーム
上で挙げた4本の作品に共通する特徴として、その作品を遊び尽くしたと言える明確なクリアの基準がないことが挙げられる。Steamの実績をコンプリートする、アーケードモードやストーリーモード最後のボスを倒すといった目的を設定することも可能だが、それを達成したからゲームクリアとは言いにくい作品ばかりだ。
シミュレーターや格闘ゲームの他、レースゲームやPvP専用のFPSなどもこちらの仲間であろう。ライトゲーマー向けではあるが、パーティゲームもこちらだ。
目標の不在
American Truck Simulatorの場合、そもそもストーリーや目標といったものが存在しない。トラックを運転して会社を大きくする過程そのものを楽しむ作品だ。『IL-2 Sturmovik: 1946』では各ミッションごとに目標の破壊や敵の全滅といった目標があるが、特にラスボスが設定されているわけではない。さらに、対人戦を始めればいくらでもやり込めてしまう。
格闘ゲームでもIL-2と事情が似ている。全てのキャラクターでアーケードモードをクリアするのは一つの目標となるが、メインコンテンツは対人戦と考えるべきだろう。
オンラインの価値
こうした作品は、インターネット回線があると楽しみが広がる傾向にある。オンラインでの対人戦が可能ならば、気軽に対戦できるツールになるからだ。マルチプレイ非対応の作品でも、Modを共有できれば遊びの幅が広くなる。
回線速度や安定性の向上によって、現在のゲームはゲームソフト本体だけで完結する必要がなくなった。この環境がツール的作品の価値を高めていると言えるだろう。もちろん好みが変化したのも理由だが、インターネットがこれほど広まっていなければ今でもシミュレーターを楽しいとは感じられなかったと思う。MOBAがこれほどメジャーなジャンルになることもなかったはずだ。
好きそうなプレイヤー
対戦相手に勝つことがゲームの目的!というプレイヤーはこちらの方が好きだろう。CPUを相手に一人で遊んでいても物足りないと感じてしまうはずだ。対戦に興味がなくても、ロールプレイの道具や会話の材料としてゲームを見るプレイヤーはこちらに分類される作品が好きだろう。
問題としてのゲーム
最近遊ぶようになったツール的ゲームに対して、僕が以前からよくプレイしてきたゲームは開発者からの問題だと言える。「この謎を解けるか?このボスをどう倒す?」という問に答えることでクリアに繋がるゲームだ。
横スクロールアクションやCPU相手のSLGなどはこちらである。プレイヤーが操作の腕を磨き、知識を付けて最適な選択をすることでクリアにたどり着ける作品だ。他のプレイヤーと力比べをするツールではなく、一人でやり込む作品が多い。
分かりやすいクリア
もちろんジャンル・作品単位で絶望的に向いていないものはある。いくら練習しても最後までプレイできない曲(リズムゲーム)、ネタバレを見ないと解けない謎(アドベンチャー)が出てきてしまうことはあり得る。
だが、こちらに分類されるゲームは諦めずにプレイを続ければクリアできる、少なくともその可能性はあるものがほとんどだ。僕がこうしたゲームを好んでやってきたのは、クリアするという目標を追いかけられるからである。そこに至るための試行錯誤、行動の最適化を楽しむのだ。
人間相手の格闘ゲームでは相手の腕前も一定ではない。お互いが練習を続けているならいくらやっても勝てないかもしれないし、相手の調子が悪くて簡単に勝ててしまうかもしれない。人を打ち負かしてもあまり快感を得られないタイプなので、固定された合格基準に照らし合わせて自分の成長を実感したいのだ。
好きそうなプレイヤー
こちらのゲームが好きなプレイヤーは、艦これで装備の最適化をしていそうなイメージである。人に勝つことよりも、同じゲームが好きなプレイヤー同士で攻略情報を共有していそうだ。
SLGを攻略するための勝ちパターンを組み立てるのも好きなのではないだろうか。
反対側にも挑戦したい
一概に対人要素があればツール系とは言えないが、「対人戦がメイン」「エンディングがないか、エンディングまではすぐだがその後が長い」作品はツール系と言えそうだ。
これまでツールでの対戦を中心に遊んできたなら問題を解くようなゲームを、問題ばかり解いてきたなら自分で目標を見つけるシミュレーターや対戦ツールを触ってみるのも良いかもしれない。全く合わない作品に当たってしまう可能性も高くなるが、意外なゲームに面白さを感じられることもあるだろう。
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